バッテリ充放電装置 YRD-Iシリーズ
特徴
- 電力回生システムにより小型で高効率です
-
インバータ方式により小型で高効率(95%typ)を実現しました。放電時には電力を回生することによりエネルギーを無駄にしない環境に優しいシステムを実現しています。また35kW標準品で800W×800D×1800Hと業界トップクラスのコンパクトサイズです。
制御部もフルデジタル化によりコンパクトなため小容量の多チャンネル充放電システムなどのご提案も可能です。
- 小容量(10kW)から大容量(250kW)まで必要なスペックで製作いたします
-
弊社のUPS、周波数変換器などの交流インバータ製品と主回路部品を共通化し流用することにより短納期で製作することが可能になりました。電圧、電流、電力の各スペックはご要望に合わせて設計することも可能です。専用設計されたコンパクトな筐体は省スペースですがご要望により幅広、縦長など設置空間に応じたカスタマイズも可能です。
- 多彩な制御モードとリミッタシステム(バッテリ充放電装置として)
-
定電圧、定電流、定電力モードをサポートしています。また電圧、電流、電力にそれぞれ上下限のリミッタを設定します。一般的な定電流→定電圧となるフロート充電も簡単に設定可能です。バッテリに合わせて電圧および電流リミッタの上下限を適切に設定することで過充電や過放電を防ぎ安全に試験を行うことが可能です。
- 多彩な制御モードとリミッタシステム(回生型の直流電源装置として)
-
定電圧モードで希望の電圧を設定するとこれを維持する「定電圧源」として振舞います。「負荷」が電力を消費した場合は力行動作となり、「負荷」が電力を供給し始めた場合は回生動作となります。いずれの場合も定電流、定電力リミッタが同時に動作します。ハイブリッドカーなどの車載インバータと接続して擬似バッテリとして使用可能です。
- 設定精度、計測精度とも高精度かつ高確度です
-
電圧検出には高リニアリティで特性が保証された16bitシリアルADCを高インピーダンスの差動回路でドライブし高精度で安定した計測が可能です。電流検出も高リニアリティのクローズドループ電流センサを16bitADCでサンプリングしています。また電流検出はH/Lのヒステリシス付きオートレンジ機能を標準装備しています。これら計測値をもとに設定値へのフィードバックを行うため設定精度≒計測精度となります。
- 充放電切り替えや負荷変動に対して高速応答を実現しました
-
DCDCユニットはフルデジタル制御による高速フィードバックにより充放電切り替え時に高速応答(実力2ms ※1)を実現しました。過渡変動に対しても瞬時(500us以内)にDCDCユニットが出力フィルタに最大電流を供給し電圧を維持します。
※1 120V/300A/35kW出力の装置にて
- バイボーラ出力もサポート(工場出荷時オプション)
-
完全な0Vから充放電に加えてマイナス電圧出力もサポートしています。4象限の動作によりバッテリ、コンデンサなどの特殊な環境化の試験などにご利用いただけます。マイナス電圧側の電気的性能はプラス電圧側と同等になります。
- 入力波形もデジタル制御でクリーンです
-
回生ユニットもフルデジタル制御により高調波規制ガイドラインをクリアする歪率5%以内のクリーンな電流波形を実現しています。力率も実測で0.99とほぼ1.0となっています。3相電圧のバランスや歪率が劣悪な場所でも独自の電流フィードバック制御により正弦波に近い電流波形が維持されます。
- 新開発、デジタル電源制御ボードCIC(コモンインバータコントローラ)使用
-
デジタル制御電源のために開発されたCIC(コモンインバータコントローラ)を使用しています。YRD-Iでは3相回生ユニット、DCDCユニットの制御用にそれぞれCICを使用しています。
高性能を生かし標準的な充放電/直流電源としての機能に加えあらゆるカスタマイズに柔軟に対応いたします。
- 豊富なインターフェイス
-
標準の通信インターフェイスとしてLANを装備しており外部のPCにより自動運転を行うことが出来ます。またRS-232C、RS-422、CANなどの業界標準I/Fも使用可能です。 GPIBインターフェイスが必要な場合やお客様がご自身のソフトウェアで電源をコントロールすることも可能ですのでご相談ください。
- ローカル操作(タッチパネル・ジョグダイヤル)
-
タッチパネルとジョグダイヤルを装備しています。これによりベンチユースとしてPCなしの充放電試験が行えます。またタッチパネルはユーザー様の試験システムに必要な機器の制御(例 コンダクタのON/OFF)をカスタマイズにて画面追加可能です。
- バッテリ充放電用スケジューリングソフトを用意しています
-
バッテリーの試験を行うために専用に設計されたソフトウェアです。プログラムに関する知識がなくても数カ所の設定のみで使用開始できます。柔軟な変数とトリガシステムによりあらゆる状況に応じた充放電スケジュールを構成できます。
- 多チャンネルデータロガーもご利用可能です
-
充放電ソフトでは信頼性の高い日置電機製のメモリハイロガー8423と連動してロギングを行うことが可能です。対地間600V、チャネル間200Vの絶縁がありセル電圧、温度などの計測に最適です。ロギングデータはLAN経由で充放電ソフトに追加の変数として取り込まれ充放電装置のログに同時に記録されます。またスケジュールトリガ、警報源として扱えます。
用途
- リチウムイオン電池の充放電、電気自動車用バッテリ充放電
- 回生可能な直流電源、直流電子負荷、バッテリシミュレータ
- その他あらゆる直流電源アプリケーション
仕様
型式(□は最大出力電圧/ △は最大出力容量) |
電圧仕様 | 電流仕様 | 容量 | その他 |
---|---|---|---|---|
YRD-□-△-I | 0~750V | ±1000A | 0~300kW | カスタム可能 |
↑型式をクリックすると詳細仕様がご覧いただけます。
特注仕様は型式の末尾に“X”が付きます。
特殊仕様製作いたします。お問い合わせはこちらから
仕様/型式 | YRD-I | |
---|---|---|
定格電力 | 10/35/50/75/100/150/200/250/300kW | |
電圧設定 | 定格 | 0~750V ※1 (バイボーラオプション時は0~±同上の電圧値まで可能) |
範囲 | 定格電圧に同じ | |
適用 | CVモード設定値、および電圧リミッタ設定値 | |
分解能 | 定格電圧÷30,000、 設定桁数は0.000Vに固定 | |
確度 | 設定値×0.1%±(定格電圧×0.04%) | |
リップル | 定格電圧×0.1%rms以内 | |
センシング | 電圧降下補償センシング端子有り | |
電流設定 | 定格 | ±1000A ※2 |
範囲 | 定格電流に同じ | |
適用 | CCモード設定値、および電流リミッタ設定値 | |
分解能 | 定格電流÷30,000、設定桁数は0.000Aに固定 | |
確度 | 設定値×0.1%±(定格電流×0.05%) | |
リップル | 定格電流×0.1%rms以内 | |
電力設定 | 定格 | 10/35/50/75/100/150/200/250/300kW |
範囲 | 定格電力に同じ | |
適用 | CPモード設定値、および電力リミッタ設定値 | |
分解能 | 設定桁数は0.000kWに固定 | |
確度 | 設定値×0.5%±(定格電力×0.1%) | |
電圧計測 | 範囲 | ±定格電圧×105% |
分解能 | 計測範囲÷31,500、表示桁数は0.000Vに固定 | |
確度 | 読取値×0.1%±(計測範囲×0.02%) | |
電流計測 | 範囲 | 定格電流×105% |
分解能 | 計測範囲÷31,500、表示桁数は0.000Aに固定 | |
確度 | 読取値×0.1%±(計測範囲×0.03%) | |
電力計測 | 範囲 | 電力計測は電圧計測×電流計測のデジタル演算による。 |
分解能 | 表示桁数は0.000kWに固定 | |
積算電流、積算電力 | 直流出力を積算します。±0.00Ahおよび±0.00kWh表示 | |
計測値更新レート | 100ms | |
動作設定 | モードと設定値 | CV(定電圧)モード およびCV設定値 CC(定電流)モード およびCC設定値 CP(定電力)モード およびCP設定値 |
リミッタ設定 | 電圧、電流、電力に上下限のリミッタ設定値有り | |
設定値とリミッタ設定の関係 | モードと設定値に関係なく常にリミッタ値で定電圧、定電流、定電力動作 | |
制御方式 | フルデジタル制御による電流フィードバック制御 | |
電流応答時間 | 2ms(min)/10ms以下 | |
通信インターフェイス | RS-232C/RS-485出荷時選択、イーサネット(10/100Mbit)、オプションにてCAN選択可 | |
入力電源 | 相数 | 単相2線/三相3線 |
電圧 | 200/220/400/440V±10% | |
周波数 | 50/60Hz | |
力率 | 0.95以上 | |
電流歪率 | 5%以内(定格時) | |
効率 | 充電、放電とも90%(typ)/83%以上 | |
保護 | 直流(過電圧/低電圧/過電流)、入力(過電圧/低電圧/周波数異常)、過熱、 外部警報入力、非常停止 |
|
環境 | 周囲温度 | 0~40℃ |
周囲湿度 | 35~85%RH |
※1 750V以上はご相談下さい。
※2 1000A以上はご相談下さい。
回路ブロック図
使用上のお願い
- 消耗品交換・メンテナンスの実施について
-
消耗品交換や定期点検、メンテナンスは当社にて承ります。
最寄の営業所にお問い合わせいただくか、こちらのページからお問い合わせ下さい。
- 搬入・据え付け
-
製品のお納めは、原則「国内指定場所 車上渡し」とさせていただきます。荷降ろし以降の作業はお客様にて実施願います。
→時間指定配送、荷降ろし、工場立会試験、現地試運転などの作業は別途お見積もりのうえ当社にて承ります。ご注文の際にお申しつけください。
定期点検・部品交換
- 定期点検・部品交換について
-
本製品の期待寿命は定期的な点検・部品交換を実施して約15年です。
期待寿命は使用環境や運転状況により変化しますので、安全に長くご使用いただくためにも定期的な点検・部品交換の実施を推奨致します。
- 定期点検:毎年(推奨)
- 部品交換:5年周期
※部品交換の際は、定期点検も実施致します。
- 交換推奨部品例
-
※部品寿命は環境(温度・塵埃等)により大きく左右されます。